2020年に書いたチェッカーズネタ

りょーすけ.

2023年10月06日 11:36

9/21が
チェッカーズデビュー40周年だったことを受けて
過去に書いたチェネタを再び.

一昨日はチェッカーズデビュー37周年でした.

チェッカーズは今でもよく聴いてて,
人生の音楽的ホームグラウンドだなぁと.
そしてそれは今後も変わることはない,
と思います.

せっかくなので,
主にシングルの歴史で少し振り返ります.
おそらく何回か続きます.
(チェッカーズのメンバーについては敬称略)


その1

「ギザギザハートの子守唄」
康珍化(カンチンファ)作詞,芹澤廣明作曲.
1983年 9月21日発売.
チェッカーズのデビューシングル.

久留米の不良少年バンドだった彼らは,
今までの作風やファッションを180度変えて
いや変えさせられてデビューに臨んだ.

「ちっちゃな頃から悪ガキで…」
不良少年を歌った演歌のような曲調の
この曲で全国に勝負をかけたチェッカーズ.
当初は売れなかったけど,
後に作詞を売野雅勇さんが手がけた
「涙のリクエスト」
「悲しくてジェラシー」が大ヒット.
つられるようにしてこのデビュー曲も売れた.
チェッカーズは,
ここで,世間に大きくその名を轟かせることになった.

少女たちを魅了したあの独特の衣装と髪型.
おそらくはあのビジュアルが無ければ
チェッカーズはここまで知られることにはならなかった.
メンバーの意に添わないビジュアルでのデビュー.
でも皮肉にもそれがヒットの大切な要素になった.
ボーカルの藤井郁弥はしかしながら
新しいもの好きでとにかくセンサーが鋭い.
周囲から緻密に準備され構築されたビジュアルを
上手く自分を魅せるデータとして吸収して
さらにその変化を結局は楽しんでいた.
郁弥のその何でも興味を持って吸収する習性は
その後のチェッカーズにいろいろな色を付けていくことになる.


この3曲が落ち着いた後も,
「星屑のステージ」
「ジュリアに傷心」と芹澤作品で立て続けにヒットを飛ばし
なんとアイドル映画
「the CHECKERS in TAN TAN たぬき」
(主題歌「あの娘とスキャンダル」)
という,なかなかにアレなプロダクトを
世に問う.
これができることこそがまさに人気が絶頂である証だった.

「たぬきだっていいじゃなーい!
私たちだってたぬきになるもーん!」
どこまでも続くたぬきのお面の向こうから
響き渡る若さ溢れる声援に包まれながら,
元不良少年たちは果たしてどのような気持ちで
今置かれている状況を消化していたのだろうか.


アイドルとしての絶頂を迎えたチェッカーズは
このあと,緩ーい下降線を辿ることになる.

「俺たちのロカビリーナイト」
「HEART of RAINBOW / ブルーパシフィック」
「神様ヘルプ!」

以上の3曲をキャラクタライズできる一般人は
おそらくほとんどいないだろう.
つまり,涙のリクエストを知ってても,
俺たちのロカビリーナイトを知らない人が
ほとんどだということだ.

伸び悩んできたこの当時,
それまでアレンジやリズムや曲調,構成に
緻密なまでの戦略で多様性を仕込んでいたはずの
芹澤楽曲のつくりがちょっと単調になっていたように思えた.

マイナーなキーで,始めは低く始まって,
サビはだいたい同じ調子.
「俺たちのロカビリーナイト」
「ブルーパシフィック」
「神様ヘルプ」
のAメロと,サビの入りを聴き比べてみると
ほぼ同じであることがわかる.

多忙を極めた芹澤さん,
手を抜いたとまでは言わないまでも
ちょっとエンプティだったのかもしれない…
芹澤さん楽曲のパワーダウンにより,
チェも世間的にすこしパワーダウンしてしまった.


そして,
チェッカーズと芹澤さんのコラボレーションは
「OH!! POPSTAR」
「Song for U.S.A.」
でついに終焉を迎えることになる.

OH POPSTARについて言えば,
久々にちょっと違う曲調で来たけれども
佳曲ではありつつパンチ不足は否めず.
元より「チェといえばサックス」の印象であったにもかかわらず,
尚之が骨折したためになんとサックスが入っていない.
アルバム曲なら過去にもサックスの入ってない曲はあったものの,
シングルとしてサックス無しはかなりの驚きだった.

実はこの曲がシングルに選ばれた際の
オレなりの仮説がある.
それは,
実は「君はRock-A-Ballad」がシングル候補だったのでは説.

もしかしたら作曲の芹澤さんとしてはこのOH POPSTARではなくて
同時期のアルバム「FLOWER」収録のさわやかなチューンである
「君はRock-A-Ballad」の方をシングルとする
つもりだったのではと.
理由は3点.
1.楽曲の造りがあまりにもシングル的なこと,
2.前々シングルに続いてグリコCMに使われたこと
3.アルバムの中でのA面3曲目という立ち位置…
特に,楽曲の造りがシングル的ということについては
以前に詳しく書いたので詳細は省くとしても,
一聴して曲にかける芹澤さんの「気合い」が違っていた.
おそらくこれで巻き返しを!と考えていたのでは.
チェファンの友だちの多くにも同意を得ているので,
いつか機会があれば芹澤さんに真意を聞いてみたいものだ.
仮にこれが事実であったとして
メンバーが存じていたかどうかはわからないけれども.

芹澤さんとの最後のシングルが
「Song for U.S.A.」であったというのは
これはとてもよかったのではと思う.
とびきり爽やかで気持ちのよい
チェの得意とする3連ロッカバラード.
そして久々に多くの国民の耳にフックとして
印象に残すことができた曲だったと思う.

この曲は実は元々アルバム
「毎日チェッカーズ」に収録される予定だった.
しかしあまりにイイ曲なので温存されて
映画の主題歌でシングルとして世に出すことになった.
ただ,このタイミングで昔録った曲を出すということについては
少し気になることがあった.

果たして芹澤さんの曲を最後に録ったのは
一体いつで,何という曲なのだろうということ.
これに絡むところでも仮説というかがあって.
ただし,
想像がたくましすぎる上に場合によっては
失礼に値する可能性もあるので
以下に話す内容については空想半分で読んみ飛ばしてほしいのだが.

件のアルバム「FLOWER」を作ったときに
半分を芹澤さんが手がけ,
半分をアレンジも含めてメンバーが手がけて,
どちらがファンに支持されたかで今後に繋げる
という事実があった.
結果としてメンバーの楽曲の方が人気を獲得し
それがシングル「NANA」以降の
全楽曲メンバーオリジナルとなっていくきっかけになった.

以下が空想.
実はこのアルバムFLOWERについて
芹澤さんが手がけた方の5曲については
チェの楽器陣がレコーディングに参加していないのでは…
という可能性について考えるようになった.

理由についてはいくつかあるが,
ひとつに,
チェッカーズはとてもとても多忙であったということ.

これはハッキリと明かされていることなので書くが
次に出された映画のオリジナルソングアルバム
「SONG FOR U.S.A.」(8曲入り)は,
実はチェッカーズのメンバーが演奏していない.
(シングルである表題曲を除く)

表題曲以外の7曲については実は
メンバーの多忙により楽器陣は録音に参加せず
全てのトラックを芹澤さんによる打ち込みや
スタジオミュージシャンにより録られたものであった.
またこのアルバムは初めての試みとして
芹澤さん&チェッカーズ以外が作詞曲に携わった.
外注による楽曲内容のバラエティや珍しさと共に,
スタジオミュージシャンの演奏による
チェ離れしたプレイの数々にもかなりの異物感があった.
…よい意味で.

仮説に戻って,
今後を占う事になるアルバム「FLOWER」
非常に多忙を極めていたメンバーは
将来を占う5曲のメンバー渾身のオリジナル曲に
全身全霊を注ぎ込みたかったはずだ.
同様に芹澤さんも自作の5曲については
反感を抱いているらしいメンバーの演奏に託すことなく,
自身の手腕でクオリティを上げたいという思いもあったはずで.
そうなるとメンバーを録音に参加させていなかったとしても
あながちありえへんハナシでもないのでは?
と思う.

2つめの理由として,
後にメンバーが語った
「この頃のシングル候補は
スタッフが勝手に決めてきたものを提示されて.
でも郁弥が歌わなければチェッカーズにならないから,
と反発していた」
これらのコメントもその事実を示唆しているように見える.

仮にそうなると,
もしかしたらメンバーで最後に録音した芹澤さん作品は
3枚目アルバム「毎日チェッカーズ」あたりのシングル
神様ヘルプ!やOH POPSTAR,
B面の「ひとりじゃいられない」あたりに
遡るのかもしれない.
さらに遡る可能性についても捨てきれず…

以上が空想・仮説.
真相はわからない.


B面の話が出たので,少しB面のハナシ.
この最後の2枚のシングルB面は
作詞作曲とアレンジまでメンバーのオリジナルで,
ホントパワフルで珠玉の2作品.
「おまえが嫌いだ」
「WA WA WA」
この時期にリアルタイムにメンバーが録音していたのは
おそらくこの2曲だったのだろう.
2曲ともたまらない名曲.
「おまえが嫌いだ」…
( ̄∇ ̄)
まぁ,内容にいろいろ取り方はあるだろうが.
チェッカーズはB面で本当ののびのびとした姿を見せていた.

少々時を戻すけれども,
デビュー曲「ギザギザハートの子守唄」と
次の「涙のリクエスト」のB面も
メンバーのオリジナル曲で(編曲は芹澤さん),
「恋のレッツダンス」
「あの娘とマッシュポテト」.
2曲とも最高の楽しい曲だった.

私事になるけれども,
オレがチェッカーズのファンになったのは
レッツゴーヤングというNHKの番組で
チェッカーズがギザギザB面「恋のレッツダンス」を歌ったもの.
この楽しい曲調とタカモクのバスボーカルに魅了されて
すっかり好きになった.

この放送でなぜB面だったのかの裏話として,
ギザギザの歌詞がNHK的にアレということで
差し替えとしてB面を歌うことになったらしい.
もしオレが初めて聴いたのが「ギザギザ」であったならば
おそらくはその場でファンになっていなかったと思う.
まぁ,後々結局好きになったとは思うけれども.

B面にはA面を凌ぐ名曲が多い,というのも
後までのチェッカーズの特徴であった.


そんなわけで,
長すぎるのできっと1週間以上後にまた続きを
垂れ流すことになると思います.
よろしければお付き合いを.

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