「君はRock-A-Ballad」について
チェッカーズの4枚目のアルバム
さ「FLOWER」収録の芹澤曲
「君はRock-A-Ballad」
実はシングル候補だったんじゃないか説.
1ヶ月ちょっとぶりに長文を垂れ流します.
前にも別のところで書いたことがあるので,
既読の方はご容赦を.
これは完全なる推測です.
でもちょっとためしに頭の隅に入れてそれらの曲を聴いてみて下さいな.
もしかしたら,新しい発見や,ちょっと違う印象を持つかも.
後々には私見や暴論,
さらには苦言などまでを挟む部分などもあるかもしれないのですが,
これもチェの音楽を心底愛するが故ということで,ご容赦願いたいです.
それでは,若干長くなりますがお付き合い下さい.
君はRock-A-Ballad.
言わずと知れたアルバムFLOWERの中の1曲.
この曲,実は作りが非常にシングルっぽいと思う.
その事を具体的に示す微妙にデータっぽいものを出してみましょうか.
チェッカーズのリリースされた曲の中で,
大サビなどクライマックスでキーが上がる曲を
ざっとリストアップしてみました.
曲目をパパっと見て自分で適当に曲の構成を思いだしてやっただけなので,
抜けとかあったら申し訳ありません.
(シングルA面)
ギザギザハートの子守唄
星屑のステージ
俺たちのロカビリーナイト
HEART OF RAINBOW -愛の虹を渡って-
Blue Rain
Room
Love'91
ミセスマーメイド
今夜の涙は最高
(シングルB面)
恋のレッツダンス
電撃 lookin' & shockin'
PARTY EVERYDAY
(アルバム曲)
Summer Rain
君はRock-A-Ballad
One more glass of Red wine
That's why my darling
これをみてわかるとおり,あれだけ曲があるのに(ざっと見たところ160曲余),
シングル以外で上に転調した曲はたったの4曲だけ.
転調というのは曲の中に大きなドラマが必要な場合に
使われる傾向があるんだが,
やはり1曲の中で大きな展開がほしいシングル曲に
転調が多用される理由もわかります.
逆にアルバムの中でやるとドラマチックすぎて
流れの中でやや浮きやすいのかも知れない.
そんな貴重なアルバムの中の転調曲のひとつ
「君はRock-A-Ballad」
作曲者は当時シングルA面曲すべてを作曲していた芹澤廣明さん.
芹澤さんは上記の転調曲リストの中で,
計6曲作曲されていますが
うち5曲はシングルの曲であり,
アルバムの曲で転調するのは
君はRock-A-Balladのたったの1曲だけでした.
シングル以上にたくさんの曲がある中で
たったの1曲だけ.
では,ちょっとばかりこの曲の構成を分析.
君はRock-A-Balladは,
2番サビ終わりの歌詞「Stay with me〜」のところで
B♭からCに1音も(!!) キーが上がります.
転調した後の2回目のサビでは
きらびやかな響きのシンセのパッドが重なり,
キーが上がることによってますますハリのアップした
フミヤ氏の歌声が響き渡ります.
最後の「Lady rock-a-ballad」の歌声に
重なるように入ってくるコーダのサックスは
重音で華々しく終わります.
さて.
大サビで改めて煌びやかなシンセを重ねてくる方法は,
哀しくてジェラシー,ジュリアに傷心などでみられます.
大サビじゃなくとも
これらキラキラした音色をサビでかぶせる方法は
芹澤さんの作編曲に関して言えば
とってもシングル的な手法と言えます.
そんなわけで,
ガキの俺は当時から(当時は西表島の中学生)
「これでもかとシングルっぽく作られているのに
何故この曲はシングルじゃないんだろう?」
と疑問に思っていたわけでありました.
ちなみに,
当時のチェッカーズのアルバムは
A面とB面で5曲ずつ分かれていて,
両面それぞれになんとなくシングルが1曲ずつ
振り分けられていました.
例えば「絶対チェッカーズ」なら,
A面にギザギザ,B面に涙リク
「もっと!! チェッカーズ」なら,
A面に哀しくてジェラシー,B面に星屑,
「毎日チェッカーズ」なら,
A面にジュリア,
B面にあの娘とスキャンダル…の替え歌( ̄∇ ̄)
ってな具合ですね.
ではでは「FLOWER」においてはどうかというと
唯一の収録シングルは「俺たちのロカビリーナイト」
これはB面に入ってます.
一方でA面にはシングルは1曲も入っていません.
入っていないのですが…
作りも響きもシングル然としている曲が
いい具合にシングルっぽく鎮座してます,
そう,「君はRock-A-Ballad」が♪
まぁ,FLOWERというアルバムは
メンバーの手がけた曲がとにかく佳曲揃いで
そういう意味ではシングルが入ってようが無かろうが
特に見劣りするようなアレはないんですが.
さて.
編曲まで手がけるシンガーソングライターを
一応は自称させていただいているワタクシメが
これらのデータを総括する限り
おそらくは芹澤さん個人としてはほぼ間違いなく
シングルを想定してこの曲を手がけた思います.
CM曲でもあるのになぜにシングルから漏れたのか.
理由はいくつかありそうですが…
同時期に晴れてシングルとなったのはご存じ
「OH!!POPSTAR」です,
当時のメディアなどで,
尚之の骨折によりサックス演奏がアカンと.
それでギターアレンジの「OH!!POPSTAR」を
シングルにしたようなことを言っていました.
いやいや,好き嫌いはあるにせよ,
どう考えたって「OH!!POPSTAR」よりも
はるかに作りがシングルっぽい.
まぁ,
理由はそれだけはないんだろうなぁと思うけれども.
実は,ちょびっと思うところもあるんだけど…
それはまた,そのうち(笑
お付き合い頂ければと思います.
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