2020年09月12日
久々に層状の降り方.
久々に層状の降り方.
雨の降り方には種類があって,
「対流性の降水」
「層状の降水」
がある.
ここ最近の雨は大気の状態が不安定で
強い上昇気流を伴う対流雲から降る
「対流性の降水」だった.
「夕立」「にわか雨」「局地的大雨(ゲリラ豪雨)」といった雨の降り方.
局地的に激しく降って,落雷もしばしば.
降ったり晴れたりコントラストが激しくて,
時折虹も見られるような情熱的な降水.
この雨の元になる「対流雲」とは,
積雲,雄大積雲,積乱雲などのこと.
いわゆる,もっこもこの雲である.
対して久々だった「層状の降水」
これは乱層雲(あまぐも)などから降る
しとしとと降る静かな降り方.
主には西から近づいてくる温帯低気圧の
温暖前線の前面などで降る雨.
温帯低気圧が移動して来るのは真夏以外なので,
「層状の降水」はもはや夏ではないことを感じさせる.
ところで.
今回の関東での層状の降水については
温帯低気圧の温暖前線の前面の降水というよりも
複数の低気圧に挟まれた間の大気下層に漏れ出た
オホーツク海高気圧からの冷たい湿った空気に
起因する雨.
「やませ」に似たような,ぺたーっとした雲から降る
霧雨のような降水.
雲の高度が低く蕭々と振り続ける.
この雨の源流となるオホーツク海高気圧は
いわゆる秋雨前線を作る役者で
「秋が始まったよ〜」という象徴.
この肌寒い層状の降雨を体感することによって,
やはり「秋が来たのだなぁ」と感じる.
温泉がキモチイイ,そんな季節だなぁと.
一方で東北地方南部では,
東の海上にある熱帯低気圧の付近からの
暖かく湿った空気の流入で前線が刺激され
災害級の激しい「対流性の降水」にみまわれた.
比較的狭い範囲で,
こんなに色の違う降水劇が繰り広げられていた.
あたかも
伊豆のあたりのプレートが複雑に入り組むように
東日本で複雑な気塊のパズルが展開されていた…
というわけでした.
そんなわけで,秋到来.
Posted by りょーすけ. at 17:36│Comments(0)
│気象